静かさ、宙の内に
ひだかたけし

 失われた薔薇の花と団欒
 終わった関係と更地
 虚脱の時を刻む秒針

過ぎ去ったもの 鎮まっていく
鎮まっていく内実を見極めようと
開ける夜闇の宙を眼差せば 、

 消えた赤い舌と漆黒の墓石
 現れる問い掛けと透明な流体
 永続の宙を移動する銀河

到来する静かさ 自ずと脈打つ思考の内に
何ものも去らず 何ものも戻らず
只 五感するこの世の此処に
並び立ち響き輝く現の巨大、

冷徹に過ぎる時をかち割り
倍音の翅の無限に飛び廻る
      
思考スル宇宙 、私の内に脈打つ 静かさ 




自由詩 静かさ、宙の内に Copyright ひだかたけし 2025-01-24 19:33:25
notebook Home