あなたに
Giovanni
炎散らして怒るあなたと
白い凪のように密やかなあなた
どちらが本当のあなたなのか
どっちもというのは
もっともらしいけれど
やっぱり
こうして二人が今でも
一緒にいるからには
松林の静けさのような
あなたが本当
そう信じたい
おかしなことは
おかしいと
ためらわずに
しっかり言おう
あなたの考えの及ばない
どんなにとんでもない
わけの分からないことでも
ゆっくり伝えよう
我慢出来ないほど
炎が飛び出てきそうなら
ずっと ずっと
抱きしめ続けよう
炎が心の燠を喰らいつくし
あなたが凪の目を
取り戻すまで
ちゃんと知っている
あなたはいつも
過ぎ去ったことを
後悔している
きっとやり直そう
引き返す道は
ちゃんとここにあるから
ちゃんとここにいるから