木曜日の丼
海
キッチンカーの日替わり丼
いつも行列ができている
社内では手作り弁当持参が多数
外食や買い出しは少数
少数派の僕はキッチンカーの列に並ぶ
順番が来るまで
まるで今までそこになかったかのような
空を見上げて
頭の中に空白を作る
キッチンカーの中では二人がかりで
忙しなく丼に白米を粧い
今日の具が白米の上に盛られていく
順番がやってくる
財布から千円札が消え
百円玉二枚を返される
コンビニより高いけれど
コンビニより体に良さそうだ
丼を入れたビニール袋をぶら下げて
また空を見上げる
今日の午後と明日頑張れば
それだけを励みに
大きく息を吐きながら
無機質な建造物に飲み込まれていく