栗栖真理亜

ゴミ集積所の傍でカアとも言わず
嘴を半開きにしたまま突っ立っている鴉

数分前はゴミが置かれ
今は塵一つない場所を目を丸くして見つめ
まるでひとのように呆然とした体でいる

私は家庭菜園で実った赤いプチトマトを
分け与えたい衝動抑え
ガレージの扉を押して自転車を乗り入れた


自由詩Copyright 栗栖真理亜 2025-01-23 11:09:18
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