水曜日の手紙
海
故人の手紙を何度も読み返しては
そこから滲み出る慈しみに
自分を抱きしめさせて
水曜日
逝ってしまった時の空気が
毎週巡って心を冷やすのを
線香一本分の煙で温める
繰り返す
毎日背中に過去が差し込まれ
新しい水曜日がやってくる
また手紙を取り出して
背中から日に日に遠くなる
あの日を束の間呼び寄せ着火する
細い煙が消えてしまうと
俯き背中を丸めた
自由詩
水曜日の手紙
Copyright
海
2025-01-22 18:44:32