劫火の後
海
日暮の空は劫火
暗い雲で煙り
雨を予告していた
あなたが乾いた唇
開いた途端
どうしようもなく土砂降り
とびきりの笑顔
雨に打たれ
化粧が崩れて歪んだ
雨に紛れ
こぼしていた涙に
気づいたのは
黄昏を置き去りにした
ずっと後
雨の気配はもうどこにもない
乾風が冷たく吹き荒ぶ
自由詩
劫火の後
Copyright
海
2025-01-21 18:49:50