いっちまえよ、ベイビー
阿ト理恵
ぼくは、聞きたくなかったよ。
そんな捨て台詞。
でも、だって、とか言い訳なんかいっちゃだめってことも、わかってるよ。
あきらめない、ぐちらない、できるまで、やりつづけるのが大事なんだって。
切なる願いは叶うと信じて生きてきたきみは、いざというときになんとかなって、それは奇跡だったりして。ぼくはといえば、からっきしだめだったんだ。ついてなくてさ。
そして、きみについていけなくて。きみは、こんなぼくのどこがいいのかなあ。って、ずっと思ってた。
ぼくは、きみに抱きしめてもらうことだけで、しあわせで。でも、こんなていたらくなぼくをみかぎるときがきたってことなんだね。
わたしは、きみが好きだった。でもね、
堪忍袋のなんちゃらが切れる時ってあるわけ。
ごめん。この役立たず。
いっちまえよ、ベイビー
って、つい口がすべった。
とりかえしつかないよね。だから、預けていた、とり、かえしてほしいんだけど、森へ