逸脱
雨宮吾子
今眠りに落ちる私
なるものが本当
に存在するもの
かは分からない
が 私
なるものがなけ
れば落ちていけ
ぬのが夢の中で
その夢の中で愛
でた花の香だけ
が本当であるか
のようで眠りか
ら覚めた 私
は悲しみでなく
喜びによって枕
を濡らした
押し黙っていて
も分からないの
が人の 心
理であるが分か
らないのと存在
しないのとでは
意味がまるで違
っていてこの世
界では分からな
いことは存在し
ないと思われ始
めているが 私
は 必
ずしもそうとは思
っていない
この世界を解き
ほぐすための 鍵
なるものが存在
するとすればど
こにあるのだろ
うか
私 にはまだ
何 も
分 からないまだ
何 も