逸脱
雨宮吾子

今眠りに落ちる私
なるものが本当
に存在するもの
かは分からない
が      私
なるものがなけ
れば落ちていけ
ぬのが夢の中で
その夢の中で愛
でた花の香だけ
が本当であるか
のようで眠りか
ら覚めた   私
は悲しみでなく
喜びによって枕
を濡らした

押し黙っていて
も分からないの
が人の    心
理であるが分か
らないのと存在
しないのとでは
意味がまるで違
っていてこの世
界では分からな
いことは存在し
ないと思われ始
めているが  私
は      必
ずしもそうとは思
っていない

この世界を解き
ほぐすための 鍵
なるものが存在
するとすればど
こにあるのだろ
うか

私   にはまだ
何      も
分 からないまだ
何      も


自由詩 逸脱 Copyright 雨宮吾子 2025-01-19 16:52:54
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