除雪
山人
ときおり、ビビッと飛び立つカワガラスの刹那が、凡庸な1日を僅かに輝かせてくれるけれど、私はまるで重量の失われた物体のように空に向かって昇っている気すらした
雪は降りしきり、私は屋根の上で雪を下ろしをしているのだが、何食わぬ顔で忽然と浮かんでくる嫌いな人の顔の群落を、楚々と眺めながらサクリサクリと雪の塊を剥がしては捨てていたのであった
生まれ変われるのなら何になる?私は私になりたい、私以外の何があるのだろう?この世の中に私以外は私ではないのだから
あっ、とか、うっ、とか少し呻いたのかもしれない
でもほとんど言葉を発することはなく、人の幸福を閲覧し、それは私とは違う人種なのだと思いながら作業を続けるのだった
昨日そのようにして一日すごし、今日また四六時中あたまの中を水のように流れる紙芝居を眺めながら雪と戯れました