野施行十二単衣 28
水恋鳥魚夫

(548)逆転の歯車、詩歌絶望の発想

大御稜かたづけなさは勝ちすぎて
此の日ごろ燈火管制もせず

9回裏二死満塁2ストライク3ボールで
高崎さんはバッタ―ボックスに立つ

京都の雨、だけど 傘が枕がない
そうして寝汗をかき布団が天井に飛んだ

白球は場外サヨナラホームランだった

その夜王と長嶋主催の祝勝会があった
御馳走はチキンラーメン一食だった

特集 詩歌特集 昭和17年3月号
(高崎正秀さん作)


散文(批評随筆小説等) 野施行十二単衣 28 Copyright 水恋鳥魚夫 2025-01-16 16:15:01
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