鬼子母涙次③
川崎都市狼 Toshiro Kawasaki

[鬼子母涙次キシモ・ルイジ冬の句③]

風邪引きの貴女が今日もミニとはね

水鳥や水掻き持つは足掻く為

取り敢へず手を繋いだり冬夕焼け

風呂吹きは裸に昆布コブを纏ひたり

ショールでもストールでもと肩に掛く

寢過ごして息白き事気付かざり

氣の利いたつもりで根深のみの汁

手袋の縫製を云ふ百均もの

艶やかに葉牡丹牡丹の替はりたる

笑みこぼれ心の氷柱今日溶ける

牛乳や冬は干し草味となる

古日記より拔く句には昔あり

春支度待てぬ待てぬと老婆云ひ

あかぎれかクリーム臭きカップかだ

凍港を出でゆく船も凍てゝをり

雪嶺はあれは秩父だ晴れた日に

#俳句


俳句 鬼子母涙次③ Copyright 川崎都市狼 Toshiro Kawasaki 2025-01-14 12:53:26
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