きいろい満月
よるもと

口に出すほどのことでもない
君たちに大事なものが
わたしにも大切に思われる
そんな時もあるだけ

よこを歩くひとりのあなたを
きいろい満月みたいに見ている
足もとには銀河が広がって
わたしたちは歩きながら少しも動いていないのに
その事をどうでもよく思っている
良い意味で

地球の奥行きが
あなたとわたしの奥行き
そのくらい満月はずっと遠くにみえる

にほんごの話者であるあなたは
少し遠回りをして
わたしの放った言葉の意味を
あさってくらいに理解する


自由詩 きいろい満月 Copyright よるもと 2025-01-14 01:14:03
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