睡蓮の郷
あらい
どん底の骨と川に浸かっている
沈香砂丘に書き記した記憶がある
腐敗したつぼみが脳裏に痺れを齎すけれど
死ぬ前に丸暗記した。発達したからだつきで
行き詰まったままより展望が開けている
外見は長方形をした、多重人格だよ
甲板と桟橋に気づいたとき、屋根もなくなり
運がない日は、飛び降りた硝子の弧をあがくのあいだ
あたりを見回せばそんなもの
口からからだのなかを貫いている
水を得た魚とは云うけど。
胸に穴をあけ花を植え告白するまで期間
エンカウントする往来を眺めながら
こぼれた結晶の、抜け出せない紋様は
途中からさらに驚いて、南へ 南へゆく
がんじがらめのあたりの 無心の視線に参加し
列に並ぶ うねりから はじき出され、
埋め合わせた足枷ひとつ どいたようだった
下記であり やっとだ
(間をおいた声がすること)
戸口に止めた、ゆびを湿らせ。かたちづくり
現在夢を見て、苗木の傍にひらく
凝縮し ときに散らばって――途切れるところで
ほらね。粘り気がない縁側に空間が存在していて
どうやらあの男は嘘のように消えるものです
そう、それだけでキミはもう腑に落ちて
続きみる、フルイドへ降ろした自由あり
点いたのは群衆の足音だけであるのかな
コバルト入りの 多く、移ろいの瞳のなか
シグナルに駆け引きをころしたかしら
留守のとき アーチに紗がかかるとき
あいされたい 記念日でもない ブランドに
一瞬彗星と名付け はたして 目立つ兆しがあろうか
羽ばたきに支度し引き上げられたものの
みてのとおり戸惑って、なんらかの中毒になる
丁番という古本を探している、苔むした調和を求めた
方向を見失う雑踏の中をあるいていたように想い
これはちりめんのとおした枯渇にばらまくもの
おぼろげな口笛をいくらでも吹いたもの
玄関の右手にただし臆病者のうむは問題ではない
ジャケットをはおり、ひどくみおくる罹りだ
わたしはその手を引いてキミらの声を聞く
それら煌めくのを思い出のように
そうね。プラネタリウムに行こうと思った
真っ青な薬湯を杖でいわせ 正直
呆れるほどの冷酒を継がれるがままに
バスは乗客がなく、一色生涯と手すさびしてみよ
盆栽の石、地球儀の舎
大人の患者はいないのである
劇場まで幼顔の。寝る子は育つって云うけど
キミは なんでもいいけどね。知っているだろうか