雪の匂い
海
君が去って行った方角から
雪の匂いがする
さようならと引き換えに
雪雲を連れて来る
笑い合った日の空気は
すっかり消えてしまった
どんなに懐かしんでも
現実に戻ることはない
儚い夢のようだった
舞い始めた雪が
一粒頬をなぞり
ふわっと匂わせ
溶けていった
自由詩
雪の匂い
Copyright
海
2025-01-13 18:49:11