柘榴
はるな


夕暮れの折 裂いた柘榴から
流れる血を見ている
けれど本当に
私がここにいるのか
判然としない

ビルを倒し 空を割り
海を干上がらせる
気持の強さに反して
指先ひとつも
動かせない

すぐそこで人が泣いている
笑っているのかもしれない



自由詩 柘榴 Copyright はるな 2025-01-11 21:19:41
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