菩薩その他
川崎都市狼 Toshiro Kawasaki
〈雲雀にはskylarkの英名ありskyの文字よ沁みよと詠めり 平手みき〉
眠い時には眠るがいゝ
僕の枕頭に寒い基督が立つ
逆らつて小用、無理に出したおしつこは
納豆の匂ひがした
〈納豆やと或る季節のどん詰まり 涙次〉
宇崎竜童氏は「スモーキン・ブギ」で
糞して一服
と歌つてゐたが
そんな不良靑年が菩薩・百恵さまの
御用達しの作曲家にならうとはねえ
〈わが脳に電波時計の電波*來て一心同體時と私は 平手みき〉
もうにじふよじだああああ大欠伸
小欠伸ぐらゐだ實際は
起き拔けの水はぬるくなつてゐた
〈冬目立つ質タチ革パンのかつこマン 涙次〉
ジッパーやら何やら
ものものしい
ものものしいつて随分感覺的な言葉だな
物と物が物する雰囲氣が
よく表れてはゐる
その彼が夢に出てきた
余程僕の中で印象が- 深、
い譯もなく あんな男は雑魚だ
寒イエスと並べるのはだうも氣が退ける
〈考へるヒント與へよわが裡の詩人型したUFOよ 平手みき〉
だらだら書き續ける、詠み續ける
平手も涙次も僕の一變態に過ぎず
泡立つ眞冬の夜の夢なのだから
〈夢みるぞそれが力だ餅焼けり 涙次〉
百恵ちやんの藝能界卒業のグラヴィア
凄いビキニ
夢つて云へばそれだ、菩薩だもの
#詩
*筆者は所謂「電波系」の人ではない。だうしても詩表現に必要だつたので、このやうな歌となつた。歌の末尾まで讀んで頂ければ、分かる筈です。それでも誤解を受けてしまふなら、致し方ない。諦めます。