鬼子母涙次②
川崎都市狼 Toshiro Kawasaki
[鬼子母涙次キシモ・ルイジ冬の句②]
切干の煮つけの甘さ含む飯
湯豆腐やうつすり気付く事二三
不粋なり避寒にハワイなる一家
初鶴や巨き羽根直ぐ水に馴れ
室の花野生の菊をきみ隠す
あゝ來てかう指圖やかまし鰭酒す
結び方教室までもネッカチーフ
足袋干せば正月もたゞ過ぎしこと
万両の赤さに見入る猫の目よ
何処からか天界になる村時雨
玄帝がお日様抑へナンバーワン
殘響や火の番通る横の道
心より冷えきる愛の死に際し
赤海鼠職人自慢酢で〆る
洋装でもつひ懐手芥川
萎びたる蜜柑を置きてスケッチす
#俳句