鬼子母涙次②
川崎都市狼 Toshiro Kawasaki

[鬼子母涙次キシモ・ルイジ冬の句②]

切干の煮つけの甘さ含む飯

湯豆腐やうつすり気付く事二三

不粋なり避寒にハワイなる一家

初鶴や巨き羽根直ぐ水に馴れ

室の花野生の菊をきみ隠す

あゝ來てかう指圖やかまし鰭酒す

結び方教室までもネッカチーフ

足袋干せば正月もたゞ過ぎしこと

万両の赤さに見入る猫の目よ

何処からか天界になる村時雨

玄帝がお日様抑へナンバーワン

殘響や火の番通る横の道

心より冷えきる愛の死に際し

赤海鼠職人自慢酢で〆る

洋装でもつひ懐手芥川

萎びたる蜜柑を置きてスケッチす

#俳句


俳句 鬼子母涙次② Copyright 川崎都市狼 Toshiro Kawasaki 2025-01-11 10:52:45
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