Blonde On Blonde
川崎都市狼 Toshiro Kawasaki

彼女に會つてきました
(絶句… この儘では絶唱になつてしまふ
絶唱は奥の手です)

彼女はグループホームの話ばかりしてゐます
どつちみちゆくゆくは
僕と四畳半一間の愛の巣を持つのにも関はらず
僕はもう「神田川」氣取り
そこで僕たちは
タマと名付けた僕たちの友人
カメレオンを飼ふ
猫みたいな名
猫ぢや駄目なのですあの爬虫類の中でも飛び拔けた
愛嬌者であるカメレオンでなくては
猫に寄せる愛着は
僕は心の何処かに仕舞つておきたい

そこで彼女は、僕が實は
純白のブリーフを穿いてゐたり
と云ふ現實に逢着したりします
彼女のパンツはすると何色でせう?
するすると彼女が脱いでくれるであらうパンツは
抵抗はあえかな理由からしか生まれない
僕の氣持ちはもつと
切羽詰まつたものなのです

僕は誕生日にプレゼントとゝして
ボブ・ディランの[Blonde On Blonde]のCDを用意して
待つてゐる譯ですが
彼女は福山雅治のラジオ番組を
欠かさず聴いてゐる人なので
だうだかな 兎に角こゝはディランの出番
僕はまさしく「わが道を行く」
そろそろ彼女にも分かつて貰はなくては!

#詩


自由詩 Blonde On Blonde Copyright 川崎都市狼 Toshiro Kawasaki 2025-01-10 16:27:01
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