或る十代の夢、より
川崎都市狼 Toshiro Kawasaki
もうこれつきりと云ふ杭を打ち立てる為に
この筆執りました
きみはノーと云つてもよかつた
俺がきみの魂を求めた時に
ノーと云つてもよかつたのです
俺がそれ以上を望んだ時に
だがきみの愛にかゝつた積年の呪いは解けたんだよ
何故つて俺は今眞率に語つてゐるから、です
きみに全てを捧げる
それは十代の夢に過ぎず、
でも俺には出來なかつた
心の何処かで
俺には出來ませんでした
ねえ分かつて慾しい、噓はなかつたと
きみに直ぐ傍にゐて貰ひたかつたのに
何が俺にこんな莫迦げた振る舞ひをさせたのだらう
それは十代の夢、誰もが罹る病ひなのです
何も重大な事ぢやない
俺は悲しみ
狂つたけれども
さみしさはぢきに去るだらうが―
どのみちその時間は過去となつたのです
何故つて今俺は赤心より述べてゐるから、です
都市狼。敬具。
#詩
Translated from [About a Teenage Dream] by What Goes On.