或る十代の夢、より
川崎都市狼 Toshiro Kawasaki

もうこれつきりと云ふ杭を打ち立てる為に
この筆執りました

きみはノーと云つてもよかつた
俺がきみの魂を求めた時に
ノーと云つてもよかつたのです
俺がそれ以上を望んだ時に
だがきみの愛にかゝつた積年の呪いは解けたんだよ
何故つて俺は今眞率に語つてゐるから、です

きみに全てを捧げる
それは十代の夢に過ぎず、

でも俺には出來なかつた
心の何処かで
俺には出來ませんでした
ねえ分かつて慾しい、噓はなかつたと
きみに直ぐ傍にゐて貰ひたかつたのに
何が俺にこんな莫迦げた振る舞ひをさせたのだらう

それは十代の夢、誰もが罹る病ひなのです
何も重大な事ぢやない
俺は悲しみ
狂つたけれども
さみしさはぢきに去るだらうが―
どのみちその時間は過去となつたのです
何故つて今俺は赤心より述べてゐるから、です

都市狼。敬具。

#詩

Translated from [About a Teenage Dream] by What Goes On.


自由詩 或る十代の夢、より Copyright 川崎都市狼 Toshiro Kawasaki 2025-01-09 14:19:50
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