自由に挑戦する自由のうた
ひだかたけし
血なまぐさい系列の時代があり
生ぬるく溺れる時生続き過ぎ去り
混沌の渦巻きにまた
血なまぐさい系列が打ち寄せつつ
壊滅の前の静けさに
浜辺の優しい潮騒のにほひ薫る
ひたすらに走り廻る
雨中を夢中で
ただただ嬉しくて
自らに与えられた肉体の
その使い方を覚えたての子らの
意志の全身に行き渡り漲り
さざめく潮騒の息を吐いて
すっぽんぽんのびしょ濡れで
浜辺に刻むその足跡は永遠の残響
刑罰に拘束されながら塗れる放埒
ただの自由と云う幻想を生きて
退屈な余生を暮らす老人達と
忙しい人生を競う大人達と
狭間で、脈打つこの脳髄を襲う
遥か永久なる名無し人の息遣い
(宝石の細やかな木霊
撒き散らして
貴女は、貴方は、
砂漠で真珠ヲ抱いて居た
あの方だよね)
血なまぐさい系列の果てに破滅は訪れる
今度こそとことん途方もなく致命的に
アトランティスの壊滅が続くのだろう
人が人に互いに打ち刻む怒り憎悪の鉄槌だ
自由への愛への脈動を大自然から受け継ぎ
進められ進めて思考自己意識に目醒め
なのに走り廻るのを辞め安逸の生へ
エゴが他者を踏み躙り
自己愛にのみ向かうこと
ひたすら強いられひたすら強いて
エゴに肥え太っていくばかりの
人人人
浜辺に打ち寄せる潮騒のにほひ
今に至り脳髄から肢体へと巡り
とほくちかく名無し人の力動伝う
金環の落日に瞑目し仰ぎ見れば
金の水の月の星の子ら
真善美の輝きの輪舞にて
融通無碍に解き放たれ
銅羅の響き光り光響
私の意識視界尚もいよいよいっぱいに
無防備な肉身を更に突き抜け
行き着いて息継ぎつつ この魂
無辺を憩う内なる無数の他者を識る