ランデブー
板谷みきょう
小雨降る中ランデブー
雨宿りの階上喫茶ラブでの一コマ
窓際のテーブルで向かい合わせの
コーヒーとアイスクリーム
煙草を吸う?なんて
カウンターへ駆けて行って
灰皿も貰えず
帰って来るとクリームを
一さじ二さじすくいあげる
流れて来るメロディーは
どこかで聞き覚えのあるフレーズ
窓ガラスを伝う雨の雫
涙に見えてくる
ミルキー食べる?なんて
カバンから赤い小箱
テーブルの上へ
言葉がないのを
ごまかすために僕はミルキーを口に一つ
頭を抱えて深刻振る程
深い仲でもないし
笑って済む程の
そんな仲でもなかった筈なのに
夕暮れにはほんの少し
間のある時間
あの娘はテーブルの上の
ミルキーの赤い箱に眼を落とし
ポケットの中から石ころ一つ
貴方と歩いた浜辺の小石よ
私大事にするわなんて
あの娘はサラリと別れ言葉
僕は小さく笑って目をそらす
突然の言葉にどうする事も出来ない
空っぽになった頭の中
うろ覚えのフレーズが空回り
無理してあの娘を
笑わせていた作り笑いが剥げてくる
こんな姿を見られたくない
そんな気持ちが一杯
なるたけ無造作に帰ると一言
やっとの思いで呟いた
小雨降る中雨の中
心の中は土砂降りで
僕は駅へ
雨に打たれた肌の冷たさ
気になりはしない
やたら煙草をふかして
背中を丸め急ぎ足
列車のボックスに独り
列車の窓ガラスに
写る自分の顔に馬鹿と言ってみる
貴方と歩いた浜辺の小石よ
私大事にするわなんて
あの娘はサラリと別れ言葉
僕は小さく笑って目をそらす
※AISUNO作曲
https://suno.com/song/c1583bc1-df9f-4b66-a4d6-3c71df9724df
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