めざめるすこしまえの本当
そらの珊瑚

 虹の国

ヒバリは高く飛び
庭で虹を作って
笑いあったひかりの季節は過ぎた
あの虹は
偽物だったのかもしれないし
本物だったのかもしれない
空に虹が架かるたび
そこへ行ける気がして
雨の残り香がして
人は
やっぱり哀しい
生きたり
死んだり


 はつ夢

熊と将棋を指した
タイマン相撲では負けたけれど
将棋では負けないよ、と
意気込んでみたものの
意外と強かった
器用で無表情でぬかりなかった
冬眠しない熊はたぶん
とても腹ペコなのだ
盤上をわたる熊の鼻息
負けるかもしれない
こだまとまだこ
(とか言ってるばあいではない)







自由詩 めざめるすこしまえの本当 Copyright そらの珊瑚 2025-01-04 12:42:59
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