ふざけんなッ!
秋葉竹


 

若いってことは、いいことだと云うから
ふざけんなッ!って怒鳴り返してほしい


ひとを拒絶する時間を
えんえんと築いたあたしは

悲しみなんてこんなもんさと
なんだかジンセーサトっちまった、みたいな

あたたかい夜にいだかれて
ありがとうとすべてをゆだねるの、かも

闇だけがあらゆる真実を知っているけど
天然水とイオン水の違いがわからない

まんまイオン水を飲みつづけるのさ
マイナスイオンの効果だって知らないさ

震えるほどの悲しさは
昔死んだひとのお墓に沈めてしまおう

食べなければ生きられない悲しみだけを
強く勁く咀嚼して生きながらえるのさ

一羽の蝶が海を渡るように
一握の砂も海を越えるから

ぜんぜんオーケーだぜ、生きるって
悲しいけど、噴飯ものの、明るさもある

だから、もう一度ちゃんと聴いて、よ
べつだん、ホンキの言の葉、だよ?



なぁ、それでいいんだろって
イオン水の味がわかるフリして、云うから

なぁ、それでいいんだろって
なにもいいことがなかったあたしが云うから

若いってことは、いいことだと、云うから
ふざけんなッ!

ふざけんなッ!
って怒鳴り返してほしい










自由詩 ふざけんなッ! Copyright 秋葉竹 2025-01-03 18:06:16
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