氣分
川崎都市狼 Toshiro Kawasaki

J.K.ユイスマンスの『彼方』を
文學史上の珍かな寶と
する人はもう余りゐない
瀆神は氣分の問題に過ぎない
氣分、
文學は全て氣分の産物だ
恒久に輝く『源氏』の物語を
氣分と云はず何と云ふ?
紫の君は敏感な人で
過敏ともすべき戀愛狂であつた
そんな事讀まずとも分かる
彼女の血を引く者ならね
#詩


自由詩 氣分 Copyright 川崎都市狼 Toshiro Kawasaki 2025-01-02 07:29:55
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