新年、同じ裸木の森林から(改訂)
ひだかたけし

涙はあふれ続けた 故人の眼から
森林はすっかり裸木の群れ、
冬空の青 木立の隙間から透かし彫りに
人間性から堕落し仲間を蹴落とし
自分自身の自由意志すら断念しても生き抜き
詫びても詫び切れず自らを先ず許せないのだと
彼は無言で繰り返し錯乱し尚も自らの魂を表現し続けた

私は深く足許の土を掘り続け大地に火を放った
高く火柱舞い上がり私は低く低く身を屈めた
この欺瞞に充ちた唯物拝金の世を支配する魂を
何よりも先ず自らの放埒に塗れた魂を浄化するために
より高く自らを掲げ高みに到達し直観せんとして

シベリヤ強制収容所生活〜トーキョー高度消費収容所生活迄

故人の河と私の河は流れの筋を全く異にしながらも
それでも全く同じ光の大洋を流れているはずだった

何処までも何処までも 、

詫びても詫び切れぬ者と詫びることを忘れた者と、
同じ裸木の森林から同じ新年の透空を見上げながら






自由詩 新年、同じ裸木の森林から(改訂) Copyright ひだかたけし 2025-01-01 18:08:43
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