あの日
凍湖(とおこ)
新年のはじめての夕焼け
久々に会う家族とこたつで雑煮などを食べ
あるいはふだん遠方に住む同窓と旧交をあたためていた
あの日
それは突然に来て
なにがなんだかわからないうちに
時間がひび割れて
もう二度と戻れないあの日の前と
いつまで続くかわからないあの日の後に
わかれてしまった
あの日、初詣に行き
毎年そうするように
いい年になるように願った
滅多に出さない良い漆器に
ごちそうを盛りつけた
あの日
それから一年
まだ土の中に埋まったまま行方が知れない人がいる
きっとその人もまたいい年をと願った一年が過ぎ
彼の人は今も待っているだろうか
あの日が終わるのを