なぜ「あかんやつ」ほどsectionalismに染まるのか?
おまる
国語辞典にそんな言葉があるわけではないが、
かねてより「側近」業という職業が存在すると思っている。
実力者のふところに入り込んで、彼に鉄の忠誠を誓い、
彼の部下としての役割を自ら自覚し、また自認し、それをナリワイとしている、
...という人がいるのだ。
世の中に一定数、わりとあちらこちらにいる気がするが。
だからその宿主がいなくなったら、この人どうなってしまうんだろう…って、
(なぜなら、その瞬間に彼が失脚するのは火を見るより明らかだから)
まわりはうすらさむい視線をむけているんだろうが、
まあ、まちがっても本人に直接はいえませんけどねえ。
このようなポチ公野郎は、おそらくは進化論的にいっても非常に古い、
文化的な類型である。
ヒトラーの傍にはヒムラーやボルマンがいたし、
スターリンの傍にはエジョフやベリヤ、毛沢東の傍には康生や江青…
というように。歴史の裏方、屋台骨を傍から支えている人、
ともいえる。もちろん悪い意味でだ。
カリスマ社長がいて、なんやしらんけど、不思議と重用されているキモイ側近がいる。
内弁慶で、そのグループの内部でだけ、やたらと声がデカい。
こういうのがブラックな集団には高確率で棲息しているものである。
側近というと、まずすぐに思い浮かぶのがジャイアンとスネ夫の関係だが、
リアルではどうかというと、スネ夫ほど徹底した作り込みがあるわけではなく、
有能ではない。実際はもっと杜撰な輩である。
したがって「ナンバー2」っていうと、ちょっと聞こえが良すぎる。
その地位は、民主的なプロセスで選ばれたわけじゃなくて、
社会のエラーを衝いて得た地位だからね。
ピカソの愛人とか、某大画家の養女とか、文豪の血縁とか、
いわゆる”困った親族”というのもあるが、
これも同じ穴の狢であろう。古今東西、こういうのに出来が良いのはおらず、
すくなくとも文化にとっては癌細胞というべきだ。
いっぱつでいってしまうと、ひとりでやれる実力が全然ないのに、
でも分不相応に、そこそこ威張りたくて…
みたいな人が、あるていど歳をとるとこの”側近”業に全振りするんだよね。
やれやれ、だぜ
長年つれそったパートナー
それも文字通り、物心両面で支えてくれたビジネスパートナー
でも裏では「よく今までバレなかったよねぇ」というような、とーんでもねえ悪事をやらかしてた…
こんな話は、世の中にいくらでもあふれている。
今年の頭にあった大谷翔平の通訳・水原氏の違法賭博事件とその顛末などは、
好例であろう。
なんやかんやでうやむやになったあの事件だけれども、
「ショーヘイはなぜあんなカスを雇い続けていたのだろう?」
という、そもそものところの謎は依然として氷解しないままだ。
ショーヘイに限らずだけど、客観的にいってお付き合いすることに、
いかなる合理性も見いだせないようなマズイ人と付き合ってしまう人がいる。
メンヘラ同僚とか、モンクレとか、DV男とか、マウントママ友とか、
カバードアグレッションとか、エトセトラエトセトラ、
そういう類いのややこしい人間を引き寄せてしまう人がいる。
いわゆる毒親、毒兄弟も一見違うようで同じカテゴリかもしれないね。
なぜショーヘイは「愚かな選択」をしてしまったのか?…
わたしはこうおもうのだけど、
「いいヤツ」っているじゃないですか?
クセがないヤツっていうか。
悪く言うと、素直で扱いやすそうなヤツっていうのか、
いや別にいいヤツであってもかまわんのですが、
いざ言うべき時がきたら、”ちゃんと言う”っていうスキルがないと
誰かのカモになってしまいますよね…
誰の意見に対しても、冷静に、必要とあらば毒のあるやり方で、
つっこめるスキルがあるのなら、人生の問題の大半は起こらない。
しかし誠に残念ながら、変な奴に「バカじゃねーの?」って、
面とむかってガツンと伝える心構えができてない人が、すくなくない。
真面目過ぎたり、謙虚過ぎたり。
とくに下手(シタテ)は駄目ですね。今すぐやめたほうがいい。
「下手にでるな」
これは営業マン時代、上司にさんざん言われましたね…
嫌われたくないから。
嫌われて無視されたり、ぞんざいに扱われたくないから、
つい下手にでてしまう。
でもこちらが下手にでると、どうしたって相手は上手?になりますよね?
誰だってそうなると思う。
これでは自分から禍をまねいているようなもの。
よく「弱者男性は成熟できない」問題に関しての提議で
「ちゃんと競争社会に身を投じて”敗北”に対する免疫をつけなさい」
というような話が出るじゃないですか。
しかしショーヘイ大谷クラスの勝利の王道を歩んできたスーパームキムキマンでも、
どこかしら未熟というのかしら、”心のスキマ”がある模様なので、
いちがいにそういうことじゃねーのでは?と、
わたしなんぞは思ってしまう。
おもうに幼年期の育ちの方がデカい。
とくに危ないのは「過干渉」と思っています。
頼んでもないのに、いつもいつも濃やかに世話をされて育ってきたというパターン。
「やってあげる」を延々とおしつけてくる親...
すると子どもは、精神的に自立するのが難しい。
極度に寂しがり屋な大人になったりする。
誰かがいらんことをしてきたときに「いらんことすんな」って、
きちんといえる子供なら、とりあえずそこまで心配することはないと、
思うんですね。