パンのひと
百(ももと読みます)

 あさの実でチュンチュンチュン
 美味しくトリップ縄文人

 稲穂に刻んだ十字架を
 栽培している弥生人

 赤さで麻痺する夕暮れにサーっと
 雨の降る大惨事世界大戦

 ラストシーンのライセンスのみ
 契約された我が人生

 飛び降りる息の根を止めてこそ
 始まりが約束されている

 てめぇの腕を掴んでから手を握る
 安心していい爪はキってある

 黄金比で完成された星座を結んで
 終わりのおしまい始まりの始まり

 あさ

 コックピットで目玉焼きパンを
 グワシッと一緒に食べようぜ

 きさまの歯形を期待している
 きみのパンになりたい


自由詩 パンのひと Copyright 百(ももと読みます) 2024-12-29 12:00:07
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