メリークリスマス☆★
mizunomadoka


飛び続ける

眼下で燃える海
着陸できる空港はなく
明日には燃料も尽きる
混乱したオートパイロットが機首を上げて
成層圏を目指そうとしてる

凍ったフロントガラスを冷めたコーヒーで溶かす

半額のチキンとケーキを買って
一人暮らしの父に差し入れる
帰る頃になって風呂に入りたいと呟く父から
逃げるように玄関を出ると


飛ばない

滑走路の飛行機を見てる
プレゼントもう開けてもいい? 娘の声に
繋がらなくなった回線
予備電源の薄闇の中
水と毛布が配られる
大雪で送電線が切れたと
嘘のアナウンス

デート

改札の前で待ち合わせ
それからのことはたぶん無限にある







自由詩 メリークリスマス☆★ Copyright mizunomadoka 2024-12-25 21:31:23
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