メリークリスマス☆★
mizunomadoka
飛び続ける
眼下で燃える海
着陸できる空港はなく
明日には燃料も尽きる
混乱したオートパイロットが機首を上げて
成層圏を目指そうとしてる
凍ったフロントガラスを冷めたコーヒーで溶かす
半額のチキンとケーキを買って
一人暮らしの父に差し入れる
帰る頃になって風呂に入りたいと呟く父から
逃げるように玄関を出ると
雪
飛ばない
滑走路の飛行機を見てる
プレゼントもう開けてもいい? 娘の声に
繋がらなくなった回線
予備電源の薄闇の中
水と毛布が配られる
大雪で送電線が切れたと
嘘のアナウンス
デート
改札の前で待ち合わせ
それからのことはたぶん無限にある