さらさら
花形新次

長い、長い悪夢から
覚められないでいるようだ

透明なあなたの横顔が
この世の何よりも
美しいと思っていた

確かに
そう思っていたのに

その思いを伝えられずに
半世紀が経とうとしている

これが夢ならばと
何度も願ったけれど

悪い夢は
今も折り重なって
積もっていくだけだ

後悔のない人生などというものを
私は信じない

さらさらと流れて行く訳にはいかないものだ


自由詩 さらさら Copyright 花形新次 2024-12-23 00:30:32
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