冬の朝
そらの珊瑚
朝 起きたての髪は
しんと冷えている
よるじゅう
冷たい部屋の空気を吸っていたから
櫛でとかされて
ようやく息を吐く
命は死んだように眠り
またかえってくる
朝の儀式
寝る前に
くりいむをたっぷりぬった顔が
朝にはすっかり乾いてる
くりいむはどこへ行ったのだろう
スイングはどこへ行ったのだろう
朝の布団を手放すのが惜しくて
ぐずぐずとしている怠惰
冬の朝の
のびたゴムみたいなしあわせ
食べ残した半分の林檎
泡立つ珈琲豆からたちのぼる
遠い森のかおり
昨日のわたしには戻れないけれど
自分の体温だけで
ちゃんとやっていけるしあわせ