冬の朝
そらの珊瑚

朝 起きたての髪は
しんと冷えている
よるじゅう
冷たい部屋の空気を吸っていたから

櫛でとかされて
ようやく息を吐く

命は死んだように眠り
またかえってくる
朝の儀式

寝る前に
くりいむをたっぷりぬった顔が
朝にはすっかり乾いてる
くりいむはどこへ行ったのだろう
スイングはどこへ行ったのだろう

朝の布団を手放すのが惜しくて
ぐずぐずとしている怠惰
冬の朝の
のびたゴムみたいなしあわせ

食べ残した半分の林檎
泡立つ珈琲豆からたちのぼる
遠い森のかおり

昨日のわたしには戻れないけれど
自分の体温だけで
ちゃんとやっていけるしあわせ


自由詩 冬の朝 Copyright そらの珊瑚 2024-12-22 09:21:51
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