なんの予定もない冬の旅をしてみたい
秋葉竹


 

どれほど日々の暮らしに追われても
これがうまくいかなければ
とてもまずいことになるということを
なんとかこうにかこなしてみても

かかえた罪はきえてくれない

食べることが必要な理由を知ると
なんだか食べるものが美味しくなくなる
とてもまずいものでも
食べるのに必要な理由があるのって
なんだか子どものころの
飲めなかった牛乳を想い出すから
とてもまずい気分になるよ



守るべきものは風に流され
大切なこころが失われていくのか

あなたはけらけら笑いながら
「世の中なんてひっくり返してやるわ」

とおく街に 灯のともるゆうぐれ
あなたをだきしめて伝えたい

あなたはひとりっきりの痛みを数えて
かってに闘っちゃだめだ

真顔で僕の目をしっかりとみながら
その言葉を聴いたあなたはちいさくうなづき

「なるほどそのとおりなんでしょう?」

「『だがことわる』といってみたいわ」









自由詩 なんの予定もない冬の旅をしてみたい Copyright 秋葉竹 2024-12-20 08:20:12
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