鎖と鉄球の日々を超えて
秋葉竹



 

なまめかしい赤い舌を
あたしにみせてください

なにも清くもない無音の闇が
好きな訳ではないのだから

光ふりくる蒼空なら
あたしを新しくしてください

なにも冷たい訳でもないこころの中に
あるいはあまったるい胸の中に入れて?

こころのほんとうの色をみせて?
悲しすぎる瞳の色の理由を聴かせて?


君のちょっとずつ近寄ってくる恥じらいと
こころをひとつにするくらいの人懐っこさと
いっしょに世界を救えるほどのやさしい時間
ただ大丈夫いっしょに散歩をするだけの
あたたかい微笑みのひだまりを
歩きながらでもふと想い出すのは

おもい鎖と鉄球の日々
棄てられない肉体をひきずりながら
だれの気持ちのこともわからないまま
こころの星にラクガキをしていた
おもい鎖と鉄球を
両足に縛りつけられて

冷たい罪ばかり探していないで
すべての悪を知った上で
あの駅へと向かったはずなのに
何番線にゆけばよいのか
わからずに戻って来てわかったことがある

あたしがいまもなにものでもないのは
お守りを握りしめて平和を祈っているのは
べつに大丈夫なことなんだと
ただ最近生きることに懸命なんだと


なまめかしい赤い舌を
あたしにみせてください

なにも清くもない無音の闇が
好きな訳ではないのだから

光ふりくる蒼空なら
あたしを新しくしてください

なにも冷たい訳でもないこころの中に
あるいはあまったるい胸の中に入れて?

こころのほんとうの色をみせて?
悲しすぎる瞳の色の理由を聴かせて?


なんてねホラ最近
生きることにかなりの確率で懸命だ









自由詩 鎖と鉄球の日々を超えて Copyright 秋葉竹 2024-12-19 21:19:23
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