君の鎖骨
秋葉竹



 

早起きは
一本はやめのバスに乗る
ためだったんだ君がいるから




駆ける犬
甘い香りの風を追う
花びらみたいな雪とじゃれてる



夏山に
でっかい夕日が沈むころ
歩調もはやくなる帰路の道




横を向く
視線をまっすぐ整える
生きてることってこんなもんかな



宇治川の
そばで暮らしていたころの
花火の火花を夢でみちまう



ゆっくりと
歩けばいいと云いきかせ
寂しさだけはみえないふりする



やさしげに
微笑むすべも憶えたし
孤独でだけはないふりをする




忘れたい
ほどにホンキで好きになり
あしたのあしたは知らない初恋




なれるなら
痩せ狼になりたいな
嫌われてるのをそのせいにする




寂しさの
数だけ強くなれたって
過去のじぶんが血を吐き嘘吐く



手をつなぎ
心が結べた深夜二時
謝るんなら冷たくしないで




こころから
生きたい想いをさらけ出す
君の鎖骨の細さに震える









短歌 君の鎖骨 Copyright 秋葉竹 2024-12-17 20:41:49
notebook Home