音速パンチ
AB(なかほど)

 

もうそんなに刺激が欲しい年頃でもない
とつぶやきはじめて
ヘアーサロンへ消えてゆく

それでも
歌はどうですか?
詩に込めてみますか?

高鳴るものはすべて
すべて消えてしまったのか

ドップラーとアインシュタインが
パルサーの影からこだまを発する頃
頭の方の熱が冷めて

おつかれさん!
とヒゲおやじがエプロンをはたく

帰ってきたパンチは
もう平凡ではなく
鏡の中から僕を見つめて小さく
あっ と声をもらしたのを
僕は見逃せなかった


帰り道で
明日のニュースが
今日を通り過ぎた




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自由詩 音速パンチ Copyright AB(なかほど) 2024-12-17 19:41:50
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