音速パンチ
AB(なかほど)
もうそんなに刺激が欲しい年頃でもない
とつぶやきはじめて
ヘアーサロンへ消えてゆく
それでも
歌はどうですか?
詩に込めてみますか?
高鳴るものはすべて
すべて消えてしまったのか
ドップラーとアインシュタインが
パルサーの影からこだまを発する頃
頭の方の熱が冷めて
おつかれさん!
とヒゲおやじがエプロンをはたく
帰ってきたパンチは
もう平凡ではなく
鏡の中から僕を見つめて小さく
あっ と声をもらしたのを
僕は見逃せなかった
帰り道で
明日のニュースが
今日を通り過ぎた
fromAB