旅人
レタス

悲しみ色の青空が視界を透明にする
失う物など何も無くて
白い路が真っ直ぐに延びている

風が吹き
雪が積もり
雨が降ろうとも
とどまらず
独り歩いてゆく

花を
新緑の木漏れ陽を浴びたのは
遠い昔の事だった

いまはもう何もいらない
余計な荷物はかなぐり捨て
遥かな青い峰の頂きを目指し
とぼとぼ歩く


自由詩 旅人 Copyright レタス 2024-12-14 15:30:58
notebook Home