軌跡(2024.11.10)
草野春心


 中空にほうった
 ボールが手元に戻ってくるように
 一日が 終わった

 熟れた光が実をつけては
 落ちていくのを
 潰れるのを

 目で 追っていた
 銀の線を引いていく飛行機が
 そのまま 瞼の闇を 縫っていくのを



自由詩 軌跡(2024.11.10) Copyright 草野春心 2024-12-14 11:00:34
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