星辰
あらい
まいります、まいりますから。
風はまた途切れてしまうよう。
何処から続いていて結えばいいか、たまには
臆病な水差しを戻して出来損ないの赤面して。
「歌おうか」瞼の裏側だけ逆らえず
鶸色の古い障子の床を、あけっぴろげに
紫に剥いで、それを知ったとき
呼びとめられた傲慢だとわらっていって、
枕を蹴った。いくつかの色づいた薫りがした。
それで充分で 文の一部は霞んだ。
そんな芽を出した その背の縫い目に
目障りなメルヘン。数週間経って、触れることすら。
昨日の針金は性について輪を描くかたちに刻まれていく
こんな夜中にさ、知音の肌ざわりで、往復する鳥
、落ち着いて。あれは乏しくて、役者やったって
なぜ盤を破り。
絡み合った指から
重ねた叢雲が浸透し、
辛いほどのだるさで踏み入れるものなのか、
折れた痕
、故、仄かは温い
、境界をまた踏み越える。
パネルに体積を洩った爪弾き
銀砂の昨日など奥地へ、
糸巻きなどの心臓、
稚拙だが 正誤。
それは明朝などと
どうせ点描の花霞にあって、
それになぜだか針を含んだ
言葉が、ひらけて遅い欄干をみた、懸命な木枯らしだ
水面に奔らせると麓には、寝ずの癇癪も躍ったもの
鋳るのかさえ、さんざん伝って 彷徨ったものの、
放り投げた華である。絞め殺した際のモラールとニンフ
磨り硝子に溺れた火鉢の早春が病み付いた目の色。
呼びかけは海岸線を照りつける、貝殻じみた滴りが
黄泉というには 棚に顰めた躰が内側に起こした。
雨曝しの、赤銅色の枯葉蛾の転覆した星辰
きつい細径に佇むあれは――物陰の名ばかりに
脳裏をやわく産み付けるホゾだから惚れる