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本当の所
人の価値というのは
生まれた時に決まっている

君は東大に行けない
どころか
家を出ることも叶わない

マックでコーヒーを飲み
ぼんやりと免罪符のウィキを読み
一時間後のことを考える

あの人びじんだよな
とか
あの人の冗談が好きだなとか

せめて
世界が良い所であると
自分にとって都合の悪い思い出を忘れたがる

そういう風に出来てる
生まれた時から
死ぬまで

人の価値
仕事が出来るだの金を持ってるだの
愛があるだの

本当はみんな分かってる
どこかで気付いてしまう
そんなになってまで生きる必要ないんだって

誰もいない路を帰ってくる
見えない海を
ひとりで泳いで

東大っていう
馬鹿馬鹿しい夢を
見させられてたこと

行きたいんじゃなくて
髪を切るみたいに
ただ思い出したくないんだ

それにまつわること
髪に触っていいのは
恋人だけだって言われたこととかね

何の為に生きてるか
分からなくなった時は
気晴らしに歩く

世の中を知ったような気になって
自分が見てるものが
本当はなんなのか分かろうとする

人の価値
希望でも理想でもなく
絶望でも期待でもなく

生まれた時から決まってるのに
知らないだけさ
知りたくないなんて

思ってるかどうかなんて
なれるかどうかなんて
なりたくなかったなんて

何もかも
分かってるから
もう一度言うだけなんだよ

ただ確かめたいのさ
生きるってそういうこと
元あったものをなぞる過程

本当は僕は
天国に行きたかったんだ
神様の所へ

そこで鳥にでもなって
ずっと世界がどんなに素晴らしい所か
歌ってたかったのさ

極端だな
まあ世界には北極と南極を行き来したがる鳥もいるし
籠の鳥がいたっていいだろ

仕事に行かなきゃ
他にすることもないし
人が好きだ

ナチュラルローソンでコーヒーを買って
バスに乗って
公園で一人になる

人の価値かぁ
ほんとはくそどうでもいい
と思ってる癖に

愛してるとか愛してないとか
ずっと言ってるんだろうなぁ
まるで本当に好きになったみたいに

嘘じゃないけど
本当のことでもないままで
ずっと


自由詩Copyright 201 2024-12-11 07:00:28
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