碧の欠片
atsuchan69

白いテーブルに散らばった、
古い痛みと哀しみが
碧色のガラスの欠片とともにある
陽の当たる部屋から外を覗く

破れた写真をページに挿んで
永く閉じている本の背表紙に触れる
想い出は、夢のように淡く
記憶にある傷もまた曖昧だった

掌に瓶の残骸を押し当てる、
突き刺さる碧の欠片が呼び覚ます
あの夏の日と、海の見える庭

ながい髪を濡らして、
浮き輪を抱いたまま握ったコーラ
その瓶を、ボクは奪い取った









自由詩 碧の欠片 Copyright atsuchan69 2024-12-04 06:54:57
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