散歩道
レタス

朝の冷たく透明な空気を吸って
土手路を歩き
川面に浮かぶ鴨を数えたら
六羽が静かに泳いでいた
鴨鍋にしたら何人前になるだろうか
などと考えながらコンビニへと向かう

紫と白い小さな菊が寒い風に揺れていた
椿の紅いつぼみが膨らんでいた
それで胸の疼きが少しだけ癒され
冬をむかえる覚悟ができた
コンビニへの道程はまだまだ遠い
自転車でいけばすぐなのに
ゆっくりと ゆっくりと
歩いていたかった

何を買うかも決めずに病棟を出てきたが
たぶん温かな肉まんでも買うだろう
それを はふはふ… もぐもぐ…
食べてみよう
ゆっくりと ゆっくりと
歩きながら食べてみよう


自由詩 散歩道 Copyright レタス 2024-12-01 21:17:08
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