プロフィール
リリー


 つまらないようで
 普遍なわたしの日常は
 気付きもしない情景のなかで
 なにものともくらべがたく

 ささいなしくじりに拘って
 下手ないいわけで正統化しようとする
 昨日の私の横顔も
 誰かのフッテージではチラッと映り込んだ
 エキストラ

 たがいの途でゆきずりのひとの現実と
 無意識のうちにすれ違う
 他のものにすりかえられない
 点や線が、たしかにあって
 継続される風景と
 わずかにズレた臨界を感じとれば
 脳髄の樹海から羽ばたいてくる
 小さなフクロウのまんまるい眼球が光を放つ

 そのとおくかすむ鳴き声をとらえるように
 本当には言葉にできないものを
 誰かに伝える術として
 思いめぐらし綴っているのだ

 それは創りだされるもの
 冴ゆる風にこぼれて舞うレモン色した
 木の葉の ひとかげり
 そういうもので詩を書きたいとおもう


 


自由詩 プロフィール Copyright リリー 2024-11-29 08:46:58
notebook Home