冬の目覚め
atsuchan69

幸福の纏わりついた夜の衣を脱ぐ
ジャージにウィンドブレーカーを羽織り、
フリースの手袋をし、小さなライトを握る
外へ出ると冷気が両頬をビンタした

星空の朝は、町中の窓がまだ眠っている
信号待ちでよろめくホステスがいた
老人が危なそうにゾンビみたく歩いていたし、
犬を連れた婦人は電柱で立ち止まっていた

時計回りのルーティンを今日もなぞる、
沈黙した町並みが規則正しく配置されていた
どの家も暗い夢のようにリアルに見える

やがて自動巻きの長針が一周し、
公園の湿った落葉を踏みつけて朝飯へと急ぐ
湯気の立つ粕汁と焼き鯖まであと数分だ








自由詩 冬の目覚め Copyright atsuchan69 2024-11-26 06:52:11
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