メモ
はるな


何が自分にとって悪いのかわからないです、と言った、何が起こるのかわからないから、物事が起こってから対処するしかないんです、とも。カウンセラーは、少し考えて、あなたの中で何が起こっているのかを検証することができます(という意味のこと)と言った。そして、わたしは頷いて、それ以上何も言うことができない。

自分のために何かをすることは悪いことのような気がする。どうせ悪いのだから、倫理に反することをしたってかまわないと思った。倫理(というのがもしわたしの中にあるのだとしたら)、笑っちゃうけど。
何度めの冬かわからない。見知った道でもちゃんと迷子になる。ひな鳥みたいに見るものすべてに勝手に懐いて、それで勝手に傷ついてる。これがわたしの鳴き声なのかもね、ホーホー。クリスマスカードを真剣に埋める娘の頬、ずいぶんすっきりしてきた。当たり前みたいに伸びる背と、どんどん買い替えなきゃならない靴、去年のブーツなんてつま先も入らなかった。ねー、どんどん大きくなるね。いいよ、どこまで伸びるかな。2メートルまでのびるよ、はーちゃんがそんなに伸びてもママって抱っこしてくれるの?当たり前じゃん。3メートルでも?もちろん。じゃあさー、そのときもはーちゃんのことかわいいって思うかな?思うよ、かわいくないときもかわいいもん。

何が自分にとって悪いのか、わかったとして、やめられるのかな?

正しいことをするべきだと思って、そうしてきた。それなのに、こんなに混乱している。同じような服を買ってしまう。同じような男を好きになって、同じように好きになりすぎる。でもぜんぶ全然ちがうのだ。全然違っていて、対処できない。なにもかも、それが起こってから感じることしかできない。






散文(批評随筆小説等) メモ Copyright はるな 2024-11-25 09:21:57
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