初冬の夕刻
山人

マガモがシベリアからやってきてはにぎやかに鳴いている
人造湖に多くの渡り鳥達が群れていた
赤い大きな橋のたもとにあった古い山小屋旅館は解体されて
長い年月に蓋がされた

昨日今日、ほぼ今年最後の小さな仕事を終え一日何もせずに過ごした
何もしないということは結構忙しい
色々と遊ぶことを考えては遊び、やがて夕刻が近いと思う

厭なこと、重すぎる苦悩、
その押しくら饅頭の中で際立った策もなく
今はこうしていたって平易な午後がある

あくまでも日曜日の午後の平坦さが主人公であり
これからなめるように時間が過ぎて
夕刻になる頃
手塚治虫の漫画のツギハギのような私が
そこら辺に居るのだ


自由詩 初冬の夕刻 Copyright 山人 2024-11-24 15:09:24
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