詩人が死んだ朝
はるな
まのぬけた青空が
街にかぶさっている
ニュースは底抜けにあかるく
うすっぺらいコーヒーをのむ
燃え尽きたかに見える炎がベッドのなかでもう一度あがろうとしている
夢殻を つまんで捨てる白い指さき
しは ついさっきもそこで
ぼくの肩をたたいた
おまえも おなじだよ
と 言いたげな顔で
50音のパズル、型のない。
風の吹き抜ける額縁をつくろうとした
言葉のさきにあるものを しと呼ぶか
最初からそこにいて言葉をみつけるものを しと呼ぶか
それとも しは なにも呼ばないか。
注がれた水が意味を持つように
選んだ言葉でひとがみえる
そう信じて しを 見てきた
けして言葉が ひとをえらぶのではないんだと
でも 詩人が死んだ朝
言葉に選ばれたんだとおもってかなしかった。
いつかそこにいきたい、そこがどこかわかんないまま。