ジムノペディ
りつ

永い永い昼だった
時間は止まったように流れ
あちこちで人びとが微睡んでいる

風も凪いでいたが
気にならないほど陽射しが柔らかく
皆、穏やかな夢をみている

アンブローシアを食べてしまった咎人の甘い罰
彼らは目醒めることなく
一生
優しい夢の中で過ごす

不死とも言える昼の終わり
夜の訪れと共に
ひとりひとりが
アンブローシアの苗に変わり
次の神々の実を
稔らせる


自由詩 ジムノペディ Copyright りつ 2024-11-13 12:50:47
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