流水
秋葉竹


 

流れる水になりたいと
淡く願ってしまうなぁ

どこまでもどこまでも
流れつづけていられるなんて
なんて幸せなんだろう

だれとも争わなくていい
だれの目を気にすることもない
ただ流れるだけで幸せな
そんな水になりたいなぁ

けれども水の中にも憎悪や悪意はあり
だからあれほど激しく荒れ狂うのだろうか

それでも静かに
さやさやと流れる水をみていると
流れる水になりたいと
淡く願ってしまうなぁ

ひとは泣くために生きてるんじゃない
ひとは笑うために生きているんだと

知ってはいるんだ

苦い砂利噛んで
我慢しているときだって
懸命に笑おうとする

生きるって
そういうときを過ごすことだと
知ってはいるんだ


けれどもやっぱり
流れる水になりたいと
淡く願ってしまうなぁ








自由詩 流水 Copyright 秋葉竹 2024-11-13 07:56:15
notebook Home