午睡
たもつ



気泡を抱いて眠る
葉っぱの生る木に
今年も葉っぱが生ったよ
そう教えてくれた人の
顔と名前を思い出すのに
半世紀以上かかった

子供たちのふざける声が
外から聞こえてくる
季節の順番だけは
ずっと変わらない
してきたこと
したいこと
しなければならないこと
それらすべてを
積み重ねて

子供の声が遠くなっていく
救急車のサイレンに紛れて
ポコポコと音がする
わたしがわたしの肺の中で
溺れ始めている



自由詩 午睡 Copyright たもつ 2024-11-07 07:22:06
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