詩人
栗栖真理亜
現実から逃避して精神世界に逃げ込んだ
言葉遊びは得意中の得意
線と点とは結び合わず
まるで宙に浮くように
辻褄合わずの言葉が浮かび上がる
こんがらかった脳みそに
鋭利な刃物のような真実を
突きつけられるのはつらい
いま現在何が起こっていて何が問題なのか
考えるだけで頭が割れるように痛くなる
まるで金槌で叩かれたようだ
今宵も詩人という皮を被り
妄想の世界を描き出す
社会は常に暗い顔をして
尻尾を捕まえようと青白い腕を伸ばすけど
細い枝のような指を掻い潜り
のっぺりとした自らの顔を撫でながら
他者の紡ぎ出す詩を嘲笑い
とりとめのないうわごとをとなえ続ける
〝文学的である〟という剣を振り翳して